雛人形に関するマナーと習わし

女の子の赤ちゃんが生まれたら、必ず用意するのが桃の節句である3月3日に飾る雛人形です。

生まれた赤ちゃんのために新しく購入したり、お母さんが使っていたものを譲り受けたりとさまざまな方法で用意します。

一般的に雛人形は、母親の実家が用意するものと言われてきました。

母親の実家が用意する理由は、古くからのしきたりである結納が関係しています。

現在は少なくなってきましたが、日本の伝統では嫁ぎ先が結納金を用意する代わりに、嫁ぐ嫁の実家は嫁入り道具を用意するのが習わしでした。

雛人形もそうした嫁入り道具の一つとされ、その他にもお宮参りの着物や羽子板なども母親の実家が用意しなければいけません。

基本的に子どもの成長を願う品物は嫁入り道具に数えられていたので、母親側が用意する風習が今でも続いています。

現代でも昔の風習に則り、基本的には母親側の実家が用意するものとして定着しています。

しかしあくまでも古いしきたりの一つですから、必ずしも母親の実家が用意しなければいけないというわけではありません。

話し合いをしたうえで両家が納得すれば、父親側が用意するケースも近年では増えつつあります。

もし父親の実家が用意するとなったら、事前に母親の実家に伝えて了解を取っておくべきでしょう。

了解を取らずに勝手に父親の実家が用意すると、後々まで両家の関係に響くことになりかねません。

両家の関係を円満にしておくためにも、しっかりと意思の疎通を図りながら桃の節句に向けて準備するのが大切です。

用意する側が決まったら、次は実際に店舗に行って購入しましょう。

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最近はインターネットの通信販売でも購入可能ですが、高価な品物であるため一度自分の目で見てから購入するのがおすすめです。

実物を見れば職人の細かな技までしっかりと確認できますし、サイズ感もつかめるので自宅に置いたときに、お部屋に余裕があるかないか判断できるでしょう。

自宅が広いなら豪華な七段飾りでも問題なく置けますが、アパートやマンションだと大きなサイズは置けません。

住宅事情を反映しアパートやマンション住まいでも邪魔にならないサイズはいくつもあるので、店舗で実物を確認しておくと失敗はありません。

購入するタイミングとしては、一般的には年が明けた1月上旬から2月中旬です。

年明け頃から職人が作った新作が店頭に並び始めるので、最も良い時期とされています。

そのため年明けから人形屋さんを中心に回って探し始めるかもしれませんが、購入のタイミングは年々早まっています。

人気ブランドや有名百貨店では年が明ける前の12月頃から新作を公開し始めていますから、年明けから動き出すとすでに予約が締め切られているパターンはよくあります。

早い人だと11月頃から動き始める人もいるほど、早期化しているのが現状です。

人気がある雛人形は、職人が一つ一つ手づくりしていて大量生産できません。

そのため生産数が少なくなっているので、絶対に欲しいものがあるなら早め早めの行動を心がけましょう。

購入の時期が前倒しになりつつある中で、2月下旬などギリギリの時期に店舗まで行く人も少なくありません。

2月頃になると店頭に並べられている雛人形の数も少なくなり、選択肢としては狭くなるでしょう。

その結果理想のものが買えない可能性もありますが、交渉次第では値引きに応じてくれる店舗もあります。

少しでも安く買いたい、特にこだわりがないならギリギリを狙うのもアリかもしれません。

12月頃から用意するにしてもギリギリまで待つとしても、納得のできるものを買うようにしてください。

店舗で買ったら、次は飾り始める時期です。

飾り始める時期として一般的なのは、節分の翌日である立春の2月4日頃です。

節分で豆をまいて厄をはらった後に飾る、また春の節句を祝う品物なので春の訪れとともに飾るのが良いなど諸説あります。

立春は桃の節句の1ヶ月前ですから、この頃に飾るのが時期的にもベストと言えるでしょう。

特にこだわりがなければ、立春から一週間程度の間に飾っておくのがおすすめです。

遅くとも本番当日の一週間前までには、お部屋に飾るようにしましょう。

地域によっては立春ではなく、雨水に飾るのが良いとする習わしがあります。

雨水とは二十四節気の一つで、古くから日本では農耕の準備を始める時期とされてきました。

この日に飾り付けをすると良縁に繋がる逸話も伝わっているので、毎年雨水にあたる2月18日から19日を一つの目安にするのもおすすめです。

桃の節句が終わると、次に気になるのは片付けるタイミングでしょう。

昔から飾りっぱなしだとお嫁にいけなくなると言われるので、できるだけ早めに片付けたいと思う人も多いはずです。

片付ける時期は特に決まっておらず、すぐに片付ける地域もあれば旧暦である4月3日まで飾る地域もあります。

ただし湿気がある時に片付けるとせっかくの雛人形を傷めてしまうので、カラッとした湿気の少ない人を選ぶのがベストです。

 

最終更新日 2025年6月15日 by ekisai